ワンハンドシュート練習法 その1

関節に力が入らない基本的なシュートフォームを身につけよう

ワンハンドシュートの基本的なフォームを教える時、初心者の中で多いのが、身体中の関節に力が入ってしまって、動作がぎこちなくなることがあります。

一つずつの関節の動作を指導すると、割と出来るけど、それらを連動させることが出来ない人がよくいます。
特に、ボールを頭の上でセットした状態のときに多いんです。

これは、おそらくですが、ボールを片手で支えることになれていないことからくる不安で、身体に力が入りすぎていると私は感じています。

もし、あなたも同じように感じたら、まずはハンドリング練習をもっと増やしてみましょう。
ただ、指の開き方などの身体の構造上の問題が、その力みの原因である例もありますので、基本的なフォームのおさらいをしながら、あなたが単なるハンドリング不足なのか、身体の構造上無理な方法で練習していたのか、確認してみましょう。

ちなみに、シュートフォームに万人共通の正解はありません
骨の太さ、関節や筋肉の柔軟性などに個人差があるために、正しいシュートフォームも人それぞれに個人差があります。
今から紹介するのは、シュートを正確にリングに届けるための基本的な考えの部分です。
これらを基本に、自分の打ちやすいフォームを練習の中で見つけていってくださいね。


では、一つずつ確認していきます。

姿勢

足を肩幅程度に真横に開きます。
重心は、中央かやや利き腕側にかけます。
(重心については、あとで逆手側にかける場合もありますが、ここでは中央を基本に立ってみてください。)

両手をだらりと下げ、肩、肘、手首、指、腰、股関節、膝、足首をリラックスさせます。
学校の体育や軍隊の「気をつけ」の姿勢ほど力を入れなくて良いですが、背筋をピンと伸ばし、首も傾かないよう、体幹を一直線にするよう意識しましょう。
少し下品な言い方になりますが、お尻の穴から、背骨、首を通って塔頂部までを一本の紐でピン!と上からつられているイメージを私は持つようにしています。

以降、右利きの人を想定して説明しますので、左利きの人は、逆に読み替えてください。


ボールの持ち方

ワンハンドシュートは、その名の通り、片手で打つシュートですから、ボールも片手で支えることが重要です。
片手でボールを支えるには、指を閉じていたり、反っていては安定しないことはわかりますよね?
けど、これを実体験したことがない人は、一度試してみてください。
失敗(ボールを支えられないのを体験)することで、指は自然に開き、ボールの重心を感じることが出来ると思います。


ボールセット

では、そのボールの持ち方を意識して、右手でボールをセットしてみましょう。
左手はだらりと下げたままですよ。
  1. ボールを持ったまま、肘を伸ばし、肩の高さで水平になるように、まっすぐ前に持ち上げます。
  2. 肘だけを曲げて、手首をくるりと返して、頭しくは目より高い位置で静止させてください。
これがシュートリリースの前の状態のボールの場所(セット位置)です。
中指は、1の状態では前方を指していて、2の時は後ろを指している状態になります。

ボールを片手で頭(もしくは目)の上で支えられましたか?
支えられないのは、ハンドリング練習不足が考えれます。

支えられたら、自分の手の平とボールとの間に隙間があるか確認してください。
隙間が有る人は、そこに反対の指を差し込んでみてください。
すんなり入る人は開きすぎです。
おそらく、指の先のほうにボールを置いてる感じになっていて、指や手首に力が入りすぎていませんか?
手首を後ろ側に90°になるくらい反らせてください。
それでも余計な力をいれずに指も入らないくらいの隙間を作れて支えられるならOKです。

手首を後ろに反らした状態で支えられない人、もしくはボールと手のひらに隙間がまったくない人は、ハンドリング練習が足りていない可能性が高いです。
コツとしては、指全体でボールの曲線に軽く添える感じで曲げて、ボールの重心を中指もしくは中指と人差し指の中間の付け根辺りに持ってくるようにすると、出来るはずです。

それでも出来ない人は、骨格などの構造によりこの方法が出来ないのかもしれません。
前述したように、指を開かないと、ボールを支えることが難しいので、特に親指と小指が90°以上開いているほうがボールを安定させやすいんですが、親指を開く動作が、手首の硬直に繋がる人がいます。
これは、良い悪いの話ではなく、ただの個人差なので、気にする必要はありません。
この場合は、手首の硬直が解けるまで、親指を人差し指に近づけていってください。
中には、ほぼ親指が人差し指と揃うくらい閉じないと手首の硬直が取れない人もいるかもしれません。
その場合は、手のひらとボールに隙間がなくても構いません。
ただし、必ず、親指を含む全ての指紋がボールに触れているように心がけてください。

守るべきは、手首をなるべく90°に反らせることとボールの重心を手の平の中央に持ってこないことです。

なぜ、手首をそんなに後ろに反らす必要があるかというと、
まず、第1に、スナップを強く使えること。
第2に、前腕を垂直に保つ必要があるからです。
この2つに関しては、あとで説明するので、ボールの持ち方の基本として、この2つを守ることを意識してください。

基本は、肩、肘、手首を支点にそれぞれが90°の角度に曲げた状態になっていること。
これが、ボールセットの基本的な状態で、シュートフォームの一連の動きの内、腕を伸ばす直前の位置になります。


シュートポケット

ボールセットした腕の形のまま、左手を添えて、肘がわき腹を擦る感じで、ボールを右の腰骨付近まで下ろします。
手がボールの上になり、肘が背中側に出ている状態です。
ここが、シュートポケットと言われる位置です。
イメージとしては、両手でポケット(袋)を作り、そこにボールを収めるといった感じでしょうか。
パスをもらったときや、ドリブルを止めてボールを保持するときなどのトリプルスレッドの位置と同じですね。
上半身もやや前傾姿勢になっても大丈夫です。
ただし、紐で吊られている感覚はそのままですよ。
このときも、肘、手首がそれぞれ90°を保っているようにしてください。
この保つ形をしようとすると、やはり、肩や肘や手首、指の各関節に力みが出る人がいます。
これも個人差です。
そのときは、90°に拘らず、力が入らない程度に各関節を緩めましょう。
また、ディフェンスが前にいることを想定すると、あまりお勧めできませんが、少し、身体の内側にボールの位置をずらします。
その力が入っていない状態から、先ほどのボールセットの位置まで戻してみましょう。

守るべきポイントは、シュートポケットから、肘を外に開かないようにしてボールセットの位置まで動かすということです。

3ポイントシュートなどのロングシュートのときは、ポケットの位置に拘らないほうが良い場合もあります。
ここでは、とにかく自分にあったフォームを見つけるための最初の基準を作っているにすぎないことを認識してくださいね。
この基準から、自分にあった位置を探してください。


足の位置

次に下半身の状態を確認していきましょう。
最初の姿勢のとこで決めた足の幅は、まだ崩れていませんか?
もし崩れていたら、肩幅程度に開きなおしましょう。
そして、今度はつま先の方向も確認します。
両足ともリング方向に向いているのが基本です。
が、これも個人差があって、少し外向き、少し内向きのほうがやりやすいと感じるかもしれません。
ただ、最初は軸足だけでも、必ずリング方向というのを意識しましょう。
ボールは、シュートポケットの位置です。
さて、今、あなたの足は平行ですか?
それともどちらかの足が前に出ていますか?
上級者になると、実は、この時点での足の位置というのは、あまり関係ありませんが、初心者のうちは、少し右足を後ろに引いたところから始めるほうが、楽にシュートが打てます。
そして、この右足をフリーフット、左足をピボットフット(軸足)で最初は練習します。
これも上級者になると、どちらでも打てます。
というか、どちらでも打てるようになったら、上級者と言えるかもしれません。

守るべきポイントは、軸足のつま先をリング方向に向けていることです。
足幅は、肩幅に拘らず、自分が動きやすい(シュートフェイクからドライブできる)幅、シュートの確率が高い幅を見つけていきます。

重心の移動

ボールはポケットの位置、フリーフットの右足が少し後ろの状態のとき、あなたの重心はどこにあるでしょうか?
右足よりですか?
左足よりですか?
それとも中心?
実は、これも個人差があって、右足よりのほうが動きやすい人もいれば左足のほうが動きやすい人もいるんです。
それを確かめるために、次の動作を実際にしてみてください。
最初に重心を掛ける側はどちらでも構いません。
結局、両方(合計4パターン)してみて自分がやりやすい移動の仕方を選択してもらえれば大丈夫です。
もしくは、一旦は決めたけど、どうしてもシュート確率が上がらないとか、遠くから届かないという場合は、逆にしてみるのもアリですし、これ以外の移動の方法もあるかもしれません。
では、試してみましょう。
[共通]
  1. 膝を軽く曲げて、少しお尻を後ろに突き出す(膝上の筋肉に少し負荷がかかる程度)
  2. 右足を左足の少し前に出すと同時に両足でジャンプ
  3. 前にジャンプしない(頭を支点に振り子のように足が前に着地するのはOK)
  4. 腕は、力を入れず、足の力に任せて動くようであればそれに逆らわずに動かす(意識しない)
[左足重心]
右足を出した時に、重心を身体の中心線に移動します
or
右足に重心をさらにかけます
[右足重心]
右足に重心をさらにかけます
or
右足を出した時に、重心を身体の中心線に移動します

どうでしたか?
自分の身体にしっくりくる重心移動のパターンを見つけられたでしょうか?
この4パターン以外にもこのあとの下半身と上半身の連携をしていくうちに、違うパターンをあなたは見つけるかもしれません。
そのときは、身体全体に力みがないことをポイントにしてください。


下半身と上半身の連動

さあ、フォームの大詰めです。
個別に確認した下と上を連動させて、ボールに身体の力を伝えましょう。
と言うと、初心者は、結局腕の力でボールを投げようとしてしまいがちです。
ここでは、「投げる」という意識をまず消しましょう。
ボールを「押し上げる」イメージを持ってください。
では、いきますよww

重心移動で確認した姿勢になりましょう。
移動の方法は、先ほど試した、自分の一番やりやすい方法で。
で、さっきと違うのは、右足を前に出した時に、ボールの移動も始めます。
右足の移動に合わせて、右肘も前に出していきます。
右足がフロアに再度付いたときに、ボールが胸あたりにくるくらいでしょうか。
これはあくまで目安で、胸で一度止めるという意味ではありませんよ。
しかし、この状態でも腕の各関節は90°を保つこと。
そうすれば、この段階で、手はすでにボールの下に来ているはずです。
そしてジャンプと同時にボールセットの位置まできたら、肘を伸ばします。
肘が伸びきる寸前にスナップでボールを前に押し出します。
スナップの途中は、ボールが人差し指と中指に乗っている感じ。
最後に指をしならせる様にリリース。
ボールが離れた手首は、前に90°返り、肘はまっすぐ、股関節も膝も足首も伸ばしています。
この形で一時停止することをフォロースルーと言います。

守るべきポイントは、ボールの重さを常に感じて、下から押し上げる感覚を持つことと、下の関節から順番に伸ばしていくこと。
決して、どこかの関節が伸びきったあとに次の関節を動かし始めない
下からボールを押し上げるというイメージを持っていることです。
この押し上げる動作を効率よくするために、前述した「前腕を垂直に保つ」ことを意識して欲しいわけです。


言葉だけで、どれだけ伝わっているか、かなり不安なもので、かなり長くなってしまいましたが、どうでしたか?
いつもより、楽にボールが飛んでいったら、たぶん成功です。
身体の力がボールに伝わっている証拠ですから。
これが、私が考えるワンモーションワンハンドシュートの基本的なフォーム(セットシュート)です。
パスをキャッチした位置が、ポケットより高い位置だった場合、一旦、ボールを降ろします。
これをディップと言ったりしますが、このディップが入るとツーモーションになります。
ロングシュートは、一部の特別な選手を除き、ディップを入れたほうが、楽に届くし確率も上がります。
これは、ボールの移動距離が長くなるので、力がその分たくさん伝わりますし、一定のリズムを作りやすいからです。
逆にゴール下のシュートなどは、このフォームで打つと力が伝わりすぎてオーバーしてしまいますし、余分な時間が必要な分ディフェンスのチェックを受けやすくなります。
このときは、下半身は、高く跳ぶことに専念し、上半身の力、もしくはスナップでシュートします。
ここで、決して間違えてはいけないのは、腕の力ではなく、あくまで上半身もしくは手首の力で打つということです。
腕は肩・肘の曲げ伸ばしの力だけで充分です。
シュートは、自分の体重をボールに移してあげるんです。
だから、短い距離ならスナップの体重分だけで良く、ロングレンジは身体全体の体重をボールに乗せるわけです。
と、いうわけで、スナップというのは、どの距離からも必ず必要なシュートモーションの要でもあります。
しかも、スナップの強弱は、シュートの距離にも大きな影響を与えます。
だから、強くスナップすることが大切なんです。
逆回転がしっかりかかるスナップを身につけましょう。



基本を理解してもらえたら、実際にシュート練習に移っていきましょう!



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  • 最終更新:2016-07-27 18:44:37

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